コラム

呼吸器科看護師さんの仕事内容と役割

呼吸器科は、気管・肺・胸郭など、おもに呼吸器疾患を専門に治療を行なっています。

扱う疾患の領域も広く、非常に奥の深い診療科です。

本日は、呼吸器科での看護師の具体的なお仕事内容をご紹介します。

 

<呼吸器科の主な仕事>

1.呼吸生理の把握

呼吸生理とは、「ガス交換・運搬」「換気量と死腔・換気血流比」「肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aD02)」等です。

呼吸器疾患の患者さんの看護にあたるための基礎となる知識で、内科・外科ともに呼吸生理の把握が必要です。

 

2.胸腔ドレーン挿入・抜去の介助

「胸腔ドレーン」とは、胸腔内に溜まった空気や液体を体外に排出する治療で、物品出しや患者さんへの声掛け、バイタルサインのチェックを行います。

 

 

<呼吸器内科と呼吸器外科の違いと対象疾患>

 呼吸器内科

 基本的には慢性期の病棟で、1人の看護師が複数の患者さんを受け持つことが多くなります。

 病棟で終末期・看取りを迎える患者さんもいます。

 

 ◆呼吸器内科の対象となる疾患◆

  ・肺がん(手術適応でない腫瘍)

  ・転移性肺腫瘍

  ・胸腺腫

  ・COPD(慢性閉塞性肺疾患=肺気腫、慢性気管支炎)

  ・肺炎

  ・急性気管支炎

  ・肺膿瘍

  ・気管支喘息

  ・咳喘息

  ・気管支拡張症

  ・胸膜炎

  ・睡眠時無呼吸症候群 など

 

 呼吸外科

 呼吸器内科とは違い、呼吸器外科は急性期で、入院中の患者さんは主に周術期の患者さんとなります。

 

 ◆呼吸器外科の対象となる疾患◆

  ・手術適応の腫瘍(肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸腺腫瘍、胸膜腫瘍、悪性胸膜皮腫、悪性中皮腫、など)

  ・術後合併症(膿胸、肺炎、など)

  ・気胸 など

 

 

<呼吸器内科・外科の勤務で身につく看護技術>

 ★呼吸器内科・外科に特徴的としては技術です

  ・胸腔ドレーンの挿入・抜去の介助

  ・「CV」(中心静脈カテーテル)の挿入介助

  ・誤嚥性肺炎予防の知識

  ・抗がん剤治療(化学療法)全般の知識

  ・周手術期管理の知識

  ・感染症予防の知識

  ・緩和ケアの知識・技術

  ・痰の吸引、呼吸理学療法の知識(誤嚥性肺炎など)

  ・人工呼吸器、酸素マスクほか酸素療法器具の取扱い

 

 

<呼吸器科を極めるにはどこで働けばいいか>

呼吸器科ナースとして、技術や知識を極めていきたいという看護師にとっては、総合病院・大学病院の呼吸器科病棟で勤務することが近道となりそうです。

クリニックや診療所でも呼吸器科はありますが、幅広く内科系の疾患を診ていく中に、呼吸器疾患の患者さんもいらっしゃる、という状況になりそうです。

 

<呼吸器内科看護師の役割>

1.「間質性肺炎」「気管支炎」「喘息」などの内科的治療の介助

呼吸器内科には、手術を必要としない疾患の治療を行う患者さんが入院しており、肺炎(間質性肺炎)の患者さんのケアを行う場合、酸素吸入療法などを必要とします。

(酸素吸入療法には、鼻カニューレや鼻マスク、リザーバーマスクを使用します。)

 

2.肺がん患者さんへの化学療法・放射線療法の副作用ケア

肺がん(進行がん〈ステージⅢA以上〉)の患者さんが、手術適応外で内科に入院となるケースが多く、外科的治療(手術)が適応となり患者さんは、呼吸器外科に入院するのが通常です。

なので、呼吸器内科に入院している肺がん患者さんは抗がん剤治療(化学療法)と放射線治療が主な治療となり、抗がん剤治療(化学療法)と放射線治療の副作用のケアも重要な役割となります。

 

 ◆抗がん剤治療(化学療法)と放射線治療で生じるおもな副作用

  ・吐き気、嘔吐

  ・下痢、便秘

  ・倦怠感

  ・食欲不振

  ・口渇、口内炎、味覚障害

  ・皮膚炎

  ・脱毛

  ・感染症

  ・貧血

  ・出血

  ・しびれ(神経障害) など

 

3.肺がん患者さんへの緩和ケア

呼吸器内科に入院中の進行肺がんの患者さんの中には、終末期となる患者さんもいます。

残された時間を苦痛なく過ごしてもらうための緩和ケアも行います。

また、がんの進行により、「胸水貯留」「肺炎」などの症状が現れ、肺機能の低下によって、ちょっとした体動で呼吸困難を感じる患者さんもいます。

そういった患者さんは、ベッドの上で安静がとれるように、看護師が介助を行います。

 

<呼吸器外科看護師の役割>

1.肺がん。気胸などの術前検査・術後管理

呼吸器外科に入院する患者さんは、基本的には周術期の患者さんのため、看護師は術前検査の介助(*1)、術前オリエンテーションを行います。

そして、術後管理として「胸腔ドレーン」の挿入・抜去の介助とドレーン挿入中の観察、胸水・膿胸のケア、呼吸管理を行い、早期離床のためのケアも行います。

術後の患者さんは、人工呼吸器や酸素吸入器を使用している場合もあり、それらの機器の管理、患者状態の把握などに気を配ります。

また、呼吸器から離脱しても、合併症併発の危険性があるため、手技による吸引も呼吸機能保全のため重要な役割です。

 

【介助する主な検査】

 ・胸部単純写真

 ・胸部CT検査

 ・胸部MRI検査

 ・気管支鏡検査

 ・肺機能検査

 ・CTガイド下肺生検 など

 

2.「開窓術」の際のガーゼ交換、入浴介助

開窓術とは、胸腔内に貯留した胸水が膿んでしまった場合(膿胸)に行う外科療法の1つで、肋骨を切除し、手術により胸に大きな穴を開けて排膿を促します。

膿胸においては、この「開窓術」を行う場合が一番の重症例になります。

それよりも軽度な症状だと、胸腔ドレーンのチューブから、排液する場合と、生理食塩水を流して、洗浄・排液を行う方法もあります。

「開窓術」の際、看護師が行うケアは「毎日のガーゼ交換」「シャワー介助」となります。

 

いかがでしたしょうか。

呼吸器科で働く看護師さんのお仕事について、具体的にイメージするためにお役立ていただければと思います♪